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えちごくびき野 [フォトラン]

今回で3回目の挑戦となった「えちごくびき野100kmマラソン」です。本来なら余裕を持って大会に臨めたはずなのですが、この2週間前が「佐渡一周」でした。それから順調に回復してきていたものの、ランニングを再開し調子に乗って走り過ぎ腰を痛める。どうにか「くびき野」当日までには痛みは引いたものの、ほとんど未調整での現地入りとなってしまいました。
くわえて今年は天気が良くない予報。スタート時の降水量が8mmとか夕方からものすごい風の予報とか・・・・・・
ということで、3回目ですが、今回の目標は「無事に完走」に早々に決まってしまいました。

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あまりに混んでいて、号砲までにリージョンプラザ上越の建物から出られないんじゃないか?と心配になりましたが、どうにか数分前に建物から出てスタートをきることができました。
雨は降っていますが、予報よりはだいぶマシな降り具合です。今回はビニールをかぶってスタートしました。

あれ?赤鬼さんが目の前にいらっしゃいましたね。当日はこの時はまったく気が付きませんでしたが・・・・・・
当日はお世話になりました。

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スタートした時から「チームつるかめ」のnariさんと一緒でした。喋りながら渋滞を避けつつ、水たまりを避けつつして走っていたのですが、2kmほど走ったところですぐに違和感に気がつきました。
腰が、やばい。
くびき野から遡る事1週間ほど前のこと、そろそろトレーニング再開とランニングに出かけたのですが、途中で走れなくなるほど腰が痛くなり、中断してどうにか歩いて帰宅したことがありました。
やばい。また走れなくなるほどの痛みが来たらどうしよう。
せっかくnariさんとスタートしたのですが、ペースを維持できなくなり、みるみるnariさんの背中が遠ざかる。

今年はこれまでか?
腰の具合を探りつつ、とりあえず進めるだけ進む。まっすぐ走っている分にはいいけれど、路面の段差で傾いたりカーブを曲がる時など、刺されているかのように痛みがくる(刺されたことないですけど)

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毎年、目の前から元気をくれた日の出もなく、雨が降り続ける。そんなに気になるほどの降水はなかったけれど。
いつも忘れがちになるが、定期的にストレッチをして筋を伸ばす。いくらかはラクになるような気がする。

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26.2kmのレストエイド。毎年、そばが楽しみなエイドだ。いつ爆発するかわからない爆弾を抱えて走っているようなものなので、メンタル的には最悪な気分だけど、そばは楽しみなのでもちろんいただく。
そばをすすりながらストレッチをしていると、2年前の前回大会で一緒に走った「チームhase」のkimiさんとバッタリ出会う。
最悪な調子のなかで、こうして、ラン友さんと会えるというのは、かなり精神的にプラスだった。
近くでラン友さんが走っているとなると、それだけで力になる。

痛みはあるものの、思ったよりペースはいい感じで走れてきている。しかももう30kmも走っている。
腰は痛いが体力的には余裕を感じる。
けれど、くびき野のコースはここから5つの峠越えが待っている。平地区間は走れているけど、峠の上り下りは今の体調では無理だろうなぁ・・・・・・

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せっせとどうにか進んでいるうちに、先にエイドを出ていたkimiさんに追いついた。腰が痛い旨を話すと「hase君は強いから行けるよ」とありがたい言葉をいただく。しかし、この先の峠越えを考えると、どうなるかわからないので、「いや、まぁ行けるところまで行きます」と返した。
気分的には併走したかったのだけど、今のペースより速く走っても、ペースを落としても腰が痛みを訴えてくるので、ペースを合わせることができず、仕方なく先行する。
この直後、エイドでトイレに寄ったのでおそらくその際に、再び追い抜かれたと思われる。

それにしても3度目ということもあるのだと思うのだけど、前までは走って走ってようやくたどり着いたと思っていたところに、あっという間に着いてしまう。走ること以外考えないで進んでいたのもあるのだろうけど。

とにかく、足を動かすことだけを考えていた。
いにさんしごーろくしちはち、いちにさんしごーろくしちはち・・・・・・・
数を数えてリズムをとりながら、合わせて足を出していく。それしか考えない。

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峠越えに突入した。
腰が痛む。やっぱり登れない・・・走って登るのは無理だが、歩いてでも前に進む。最近、俺はウルトラの最中に歩くと、他の人よりかなり歩くのが遅いという自覚がある。それもあって、歩く、遅くなるからだめだ、前傾になって足を速く前に出して・・・とやっているといつの間にか走っている。早くはないけど。
いちにさんしごーろくしちはち、にーにっさんしごーろくしちはち・・・・・・・

牧のカカシは雨だって今年も健在。元気をいただきました。

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峠の下り。走って下ると痛みが来る。せっかく時間を稼げる区間だけど、ブレーキを掛けるようにゆっくり下る。
下りのコーナーなんて最悪だ。
いだだだだだだだだ・・・・・・

今年のくびき野は耐えるしかない。しかし、この調子ではどこまでもつのやら・・・・・・

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11時53分。どうにか、50.5kmの第2関門「安塚B&G海洋センター」に制限27分前に着く。先回よりも10分ほど遅い到着になる。
まぁ2年前はここでトイレに行ったりトン汁食ったり、かなりゆっくりしたので、(時間を気にしていたなかったのだけど、後から考えるとよくあんなにのんびりしてたなと思う)今回はのんびりしなければいいだけのこと。
トランジットを受け取り、雨で濡れた靴下を交換。トン汁をいただく。
そういえば、痛み止め持ってるよな・・・と思いだし一錠飲むことにする。どれだけ有効かわからないが。

雨は降っていなかった。天気予報では午前中で雨はやみ、午後も降る時間はあるが降水量は多くない予報だった。朝の時点では。
ということで気温も上がり、蒸し暑くなってきたのでこれまでかぶってきたビニールはここで脱ぐことにした。

ムリだと思ったけど2つの峠を越えて50kmまで来たなぁ。次の関門は69km。こうなったら行くしかないね。
そうと決めたら、のんびりはしていられないとエイドを出る。

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痛み止めが効いたようで3つ目の峠は登れる。痛み止めが効いているうちに・・・・・・とせっせと走る。

ビニールを預けてしまったが、やんだと思っていた雨が再び降りだす。しかも先ほどまでよりも強く。ビニールは預けたもののまだ佐渡一周でも活躍したペラペラウインドブレーカーを着ているので、そんなに雨は気にならなかったが、このまま降り続くようだとちょっと心配だ。

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4つ目の峠。
さすがに斜度がツラく、足が上がらなくなってきた。それでも立ち止まるわけにはいかない。
いちにさんしごーろくしちはち、いちにさんしごーろくしちはち・・・・・・
2年前はここもそれなりに走れたんだけどなぁ。先回のくびき野からの2年間でもちろん成長してきた自負はあるが、今回はそれをまったく発揮することができないのがもどかしい。
ただただ進めるだけ進むしかない。

4つ目の峠を登りきり、コースは長い下りに変わる。本来なら峠越えを終えた解放感もあって、気持ちよく駆け下るのだけど、ペースが上がりすぎないようにセーブしつつ、黙々と下る。
楽しいか?と聞かれても、今回は「楽しくない」と答えられる。だけど、途中でやめたくない。完走したい。

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69km関門。閉鎖13分前にたどり着いた。
いい。間に合えばもうなんでもいい。間に合えば進めるのだから。
痛み止めをもう一錠飲む。本来1回2錠のものを、分割して飲んだので、これで本来は1回分。

次の関門は85kmだな。よし、行けるところまで行くぞ。

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オマケの5つ目の峠。これまでの4つの峠より小さいのだけど、ダラダラと長いのが地味に効く峠。
ここをせっせと走って登った。何度も歩きたくなったが、2年前、kimiさんと走った時は、歩かないkimiさんを追ってここを歩かずに登った。
ここを歩かずに走って登りきれば完走できる!
なんというか願掛けのような感じでただただ登った。先ほどkimiさんに会った時の言葉を思い出す。
「hase君は強いから行けるよ」
女性にそんなことを言われて諦めたら男がすたる!!そう気合を入れた。

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どうにかオマケの峠を越え、コースは平地に。下り切ったあたりで頭がボーっと眠くなり、足が止まった。
走らなきゃと思うがまったく足が出ない。あれだ、佐渡一周で眠くなった時の様だ。
路肩で立ち止まった。ボーっとする頭でそういえばポーチに羊羹入れてあった。アミノ酸ゼリーも飲む。
これでなんだか復活した。ハンガーノックだったのかもしれない。

この体の状態でも峠はクリアした。あとはほぼ平地のみ。諦めなければいけるハズだ。
2か所目のトランジットを受け取る頃、残り時間がだいぶ減っていることに気が付く。気が付いたけど、行けると信じて進むしかない。

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いよいよ、柿崎の町が見えてきた。あそこまで行けばあの向こうは海だ。
と、向かい風が強くなる。予報通りに。だけど、予報よりは強い風じゃない。ただただ1~8まで数えながら足を進めた。
諦めた時点で終わりだ。歩いているランナーを見ると歩きたくなる。自分よりペースの遅いランナーを見ると、そのペースでも行けるんじゃないかと思う。
冷静に頭を働かせる。今の時点で時間はギリギリ。進めるだけのペースで進むしかない。早めに着いたならついたでいい、それは後に貯金になるんだから、ギリギリだからってギリギリに着くよりは、早い方がいい。だから余計なことは考えないで進め俺。

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国道8号を渡る信号に着いた。信号待ちストップ。さすがに幹線国道なので青信号に変わるまで行かせてもらえない。関門閉鎖時間は迫っている。焦らず休憩。
信号が変わったら走る。もう関門まで1kmは切っているが、3回目の参加である俺は知っている。この先、関門まで登りなのだ。歩くほどに時間がギリギリになる。

85km関門を閉鎖8分前に通過。間に合った。残り15kmを2時間。
最後のトイレを済ませて、すぐに出発。今の自分には走れていても2時間で15kmはギリギリの時間だ。歩いた時点で終わりだ。
いちにーさんし、ごーろくしちはち、いちにーさんし、ごーろくしちはち・・・・・・
リズム、リズムと余計なことを考えずにとにかく進む。

先回は、海岸線で夕陽を見られたが、今年はすでに日が暮れた後になってしまった。
仕方ない。ゴールできればもうなんでもいい。
再び腰の痛みが現れてきた。あー!マジでか・・・痛み止めはもう一錠あるけど、服用間隔は大丈夫だっけ?
3~4時間開ければいいんだっけ?前に飲んだの何時だ?69kmって何時だった?そんなもん覚えてねーし!
しかし、飲まなければ最後までもたないよな。
どうせ1回2錠のやつの1錠しかないんだ、飲んでしまえ。と90kmあたりのエイドで飲んだ。

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ここにきてまだ関門あんのかよ!と言いたくなる92km最終関門を閉鎖5分前に通過。
あと8kmを1時間5分。ギリギリの戦いはつづく。間に合うか?

ここにきての細かいアップダウンについ足が止まる。ダメだー歩くなー走れー。

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再び国道8号を渡る交差点。もう1分でも惜しいのが本音だけど焦ってもしょうがないと、休憩に頭を切り替える。
渡ってすぐに鉄道の踏切。渡っている途中で警報機が鳴り始めた。ラッキー!引っかからなかった。ツイてる!
運はある。あとは根性だけだ。

あとは平地だけだけど、1km毎にGPS時計に表示されるラップタイムはキロ8~9分のペースだ。俺としてはもうちょっと速く走っている感覚なんだけど、そう思うようには行っていないらしい。間に合うか!?

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最後の数kmは、特設の照明がコースを照らしてくれている。最終エイドを水分だけとって通過。
間に合うか!?
もう歩いているランナーもたくさんいる。だけど俺の計算では、歩いた時点で間に合わない。歩いている人たちは最後にラストスパートするつもりなのかもしれないけれど、今の俺にはもうラストスパートする体力も、足も、腰もないとわかっている。だからとにかく進むしかない。
もういちにーさんし、と数えるのもリズムと足が合わなくなってきている。

98kmを過ぎる。
ここで回収されるなんて4年前の「伝説」の再来は絶対に嫌だ。進め、進め。以前の「野辺山」で制限時間2分前にゴールしたことがある。最後の1分1秒まで諦めなければ、どうにかなる!

やがてGPS時計が100kmを表示した。これまでの誤差からあと残りは800m程。
ここで、やっと安堵した。
完走できる~~~~~~!!!
時間は見てないが。
とたんに泣けてきた。笑えてきた。

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ゴールゲートが見えた。もう笑いしかない。いつもそうだけど、俺はゴールゲートをくぐる時より、見えたところで気分的にはマックスを迎える。
ずっと着ていたペラペラウインドブレーカーを、せっかく「つるかめTシャツ」着てきたんだから、これでゴールしなきゃと、脱いでポケットに突っ込んだ。そんな余裕すら出てきた。

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たくさんの人たち、中学生のボランティアとハイタッチをしながらゴールへ。

どうにかゴール制限時間6分前の、13時間24分で完走することができました。
今回はとにかく、我慢、我慢、我慢、我慢・・・・・・でした。正直、楽しさなんて感じる余裕はありませんでした。おかげで写真も少ない。
でも、今回はなんとしても完走したかったのです。大好きな「えちごくびき野」ですし。
苦しかったけど、コース上で出会えたラン友さんたちがいたこと、コースが全然違う60kmの部に出ていた仲間がいたこと、この日、新潟シティマラソンで「チームつるかめ」の仲間が頑張っていたこと、応援してくれる人たちがいたこと、おかげで完走できましたよ。
やっぱ、最後まで諦めないもんが勝つのよ!
しかし俺は、いったいいつになったら余裕を持って100km走れるようになるんだか・・・・・・

全画面キャプチャ 20161018 00512.jpg

「えちごくびき野」ってドコ走るんだ?と聞かれても、新潟県民とはいえ上越市の地理に明るくないので、えーと田んぼを走って、峠を5つ越えて、また平野にもどってきてーと、曖昧な説明しかできないので、公式サイトからコースマップを引っ張っておきます。
「えちごくびき野100kmマラソン・コースマップ」http://echigo-joetsu.com/100km/midokoro/index2.html から引用。

完走後、汗だけ流して車へ戻る。さすがに「チームつるかめ」のシティマラソン打ち上げには間に合わなかったか。まぁ2年前も間に合わなくて、今年はそれより遅い完走タイムなんだからしかたないか。
高速道路を走りながら、くびき野の道程を思い出していたら、あまりに辛くてポロポロと涙がこぼれてきた。
そんな俺に「つるかめ」の仲間たちから連絡が。
「会場移って待ってるからね」
なんていい仲間たちでしょう。ありがたや~ありがたや~

100km走って100km(以上)ドライブして、仲間たちの待つ「つぼ八」へ直行しました。



【OLYMPUS STYLUS TG-860 Tough】


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